妊娠中絶における生命の倫理については、さまざまな人が多くの意見を述べています。その中でも宗教的にキリスト教では、妊娠中絶が罪とされています。日本でも人口的な妊娠中絶は推奨されていませんが、母体保護法の幅広い解釈により多くの女性が手術を受けています。「胎児も既に人間なのだから、命を粗末にすることは罪になる。」「せっかく芽生えた命を絶つようなことはできない。」など、デリケートな問題だけに人によって考え方もさまざまです。
しかし、現実的に人間ひとりの人生を責任持って育てるということは、容易なことではありません。実際はお金がなければ子供を育てることができないからです。自分が生活することだけで限界がきているのに、子供を養っていけることかできるかどうかは定かではありません。それなら妊娠しないように努力すべきところでしょうが、避妊していても妊娠してしまう場合もあります。
特に若い世代は、出産・妊娠に対する正確な知識に乏しく、結果的に妊娠してしまった後で後悔することが多いです。正しい知識というのは学校の性教育で受けているはずなのですが、残念ながら現在の日本の性教育は欧米に比べて内容の低いものです。
デリケートな内容であるだけに詳細な知識を教えてもらわないまま、インターネットを経由して間違った情報を手に入れることで、妊娠中絶に対する多くの誤解を生んだりしています。「妊娠しても手術して堕胎すれば良い。」と安易に出した結論で、後から肉体的・精神的トラブルが生じることもあります。