月経(生理)が始まる3日〜10日ぐらい前から決まって起こるさまざまな症状をまとめて、「月経前症候群(PMS:premenstrual syndrome。月経前緊張症とも)」と言います。
月経前症候群の原因にはさまざまな説がありますが、不明です。考えられている説として、卵巣ステロイドホルモンに対する標的器官(ホルモンの影響を受ける器官)の感受性の差が原因であるとするもの、水分貯留症状や低血糖類似症状からレニン・アンジオテンシン系の異常、耐糖能の異常があるとするもの、セロトニンなどの神経伝達物質の異常分泌があるとするものなどがあります。
月経前症候群の診断をするには身体症状・精神症状の有無を日記に付け、黄体期にのみ症状が現れることを確認します。月経前症候群の症状が月経開始後〜排卵前(=卵胞期)にもあり、黄体期に増悪する場合は、鬱病などの精神科疾患を考える必要があります。
具体的には、月経前症候群の症状が、過去3周期にわたって月経前5日間(数日〜2週間でもよい)に出現し、月経開始後4日以内に消失した後、月経周期12日まで現れないということになります。
さらに、月経前症候群の症状が経口避妊薬やアルコールなどを飲まない状態で存在し、次の2周期にわたって同様な症状が再発することも診断の上で必要です。
月経前症候群に当てはまるような症状が月経前に繰り返して現れるようなら、婦人科を受診するのがよいでしょう。できれば、月経の時期と症状が現れた時期をおおまかにでもメモして受診すれば、診断に役立ちます。 |