花粉症、鼻アレルギーはどんな病気か
吸入性アレルゲンによるI型アレルギー反応が関係し、くしゃみ、水性鼻漏(すいせいびろう)、鼻閉(びへい)を3主徴とする疾患を、鼻アレルギーあるいはアレルギー性鼻炎と呼んでいます。症状の好発時期により通年性と季節性に分けられます。
季節性の大部分は花粉が原因であり、花粉症と呼ばれています。花粉症は今でこそ認知度が高いのですが、1961年に日本で初めてブタクサによる花粉症の患者さんが発見され、その2年後にスギ花粉症の患者さんが発見されたという比較的新しい疾患です。その後、花粉症の患者さんは増え続けています。
原因は何か
通年性アレルギー性鼻炎の原因としては、室内塵(しつないじん)(ハウスダスト)中のダニに対するアレルギーが多くなっています。一方、季節性アレルギー性鼻炎の原因アレルゲンでは、スギなどの花粉が圧倒的に多く、時に真菌(しんきん)の胞子などが関係している場合があります。
花粉が飛散する季節は地方により多少のずれはあるものの、その種類によってほぼ決まっています。たとえば、関東地方では、スギ花粉が2月〜4月、ヒノキ花粉が5〜6月、カモガヤ花粉が6〜8月、ブタクサ花粉が8〜9月、ヨモギ花粉が8〜9月などです。
ダニ・アレルギーの多くは10歳以下で発症し、小児アレルギー性鼻炎の大部分はダニ・アレルギーであるといわれています。一方、季節性アレルギー性鼻炎の発症は20〜30歳に多くなっています。