媚薬とは、辞書をひいてみると、色欲を催す薬・催淫薬または、性欲を催させる薬とあります。古来から言い伝えられている「媚薬」と呼ばれるものを見てみると、荒唐無稽なもの、神秘的なもの、ユーモラスなもの等いろいろです。 洋の東西を問わず、いつまでも若さを保ち、精力的で、永遠の愛と生命を得られるものとして多くの記述が見られます。古代中国の文献「医心方」には、茯苓や山薬等の記述があり、近世日本では、西鶴の「好色一代男」に牛膝(ごしつ)、車前草、地黄が、また、俳人一茶の「七番日記」にも、淫羊霍(いんようかく)、黄精、竹節人参を掘り、旺盛な性欲を支えたという真面目な記録も残っています。 このような記述の真実味がどこまであるかは定かではありませんが、生身の人間の永遠のテーマであることは確かなようです。 最近少し下火になったとはいえ、「バイアグラ」騒動は記憶に新しいところです。また、健康食品にも、この手のうたい文句で売上を伸ばしているものもあります。 科学的には、栄養価が高く、ホルモンバランスを整える作用を持つ成分が含まれているのではないかということ、また、一部のドラッグに見られるように、精神的ストレスを開放し性的感情の抑制を取り除くといった作用等が“媚薬的効果”として働いているものと思われます。 動物系の“フェロモン”は匂いで性的刺激を呼び起こすことは、皆さんご存知のとおりです。エッセンシャルオイルも自律神経系に作用するものですから、これに近い効果があっても全く不思議ではありません。 例えば、古来から、宗教儀式では定番として用いられている「お香」。代表的なものは、「白檀(サンダルウッド)」ですね。極めてリラックスさせる効果が高いため、幸福感や満ち足りた感情を抱かせることが、宗教儀式にはうってつけだということをよく知って使っている訳ですね。 悪徳新興宗教の教祖が、女性に悪さをするために使ったとか、使わなったとか・・・ 古今東西、こんなニュースは後を立ちません。 今回の特集は、直接的な「媚薬」効果がどの程度あるのか測定されたものではありませんが、クレオパトラや楊責妃が香りで歴史を作ったように、ハーブを中心にした香りのもたらす精神的作用で、「性的感情の抑制を取り除く」とも言われています。 過度な期待は禁物ですが、毎日の社会生活で疲れた心を癒し、時には、二人の愛がより深まる時間を持てるなら、先人たちの知恵を信じてみるのもいいかもしれませんね。
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